新型コロナウイルスと休業手当の考え方

※令和2年3月30日時点の情報です

新型コロナウイルスによる感染の広がりの下で、様々な不安が広がっています。

会社にとっては、感染者、濃厚接触者、家族である従業員に対してどのように取り扱ったら良いか疑問が生まれているようです。

厚生労働省で企業向けに新型コロナウィルスに関するQ&Aを発表しております。(令和2年3月30日時点版)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q4-1

感染者を休業させた場合の賃金の補償は?

新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により従業員を休業させた場合は、休業手当を支払う必要はありません。

尚、健康保険に加入している従業員であれば、要件を満たせば、健康保険より傷病手当金が支給されます。

新型コロナウイルスかどうかわからないもののその疑いがある者は?

 ①その労働者が自主的に休む場合…通常の病欠と同じ扱いになります。

 ②一定の症状があることのみで一律に休業させる場合…休業手当を支払う必要があります。

 新型コロナウイルスに感染した労働者の家族その他の濃厚接触者、あるいは家族に新型コロナウイルス感染者が発生した場合については、直ちに報告をするように義務付け会社として必要な指示を行うようにして下さい。どのような対策を取るかはその都度行政機関と相談しながら進めて下さい。

 

次の目安に該当する方は、「新型コロナウイルス感染症帰国者、接触者相談センター」もしくは各区の「福祉保健センター」にご相談して下さい。

Ⅰ.風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(重症化しやすい方は2日程度)

Ⅱ.強い倦怠感や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

※重症化しやすい方…高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受けてている方、抗がん剤当を用いている方を指します。

「新型コロナウイルス感染症帰国者、接触者相談センター」

電話番号:045-664-7761(土日祝含む9時から21時まで)

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雇用調整助成金と申請のポイント

※令和2年3月28日時点の情報です

新型コロナウィルス感染症の影響により事業縮小に追い込まれた会社で働く従業員を解雇せず、一時的に休業を行ったり、教育訓練を受講させたりした場合に国が休業手当や手当の一部を助成するものです。先日安倍総理大臣が会見で話していた助成金はこのことをいいます。

 今回、新型コロナウィルスの影響を鑑み、令和2年4月1日から6月30日までは緊急対応期間として特例措置を実施しています。

【主な概要】

1.新型コロナウィルス感染症の影響を受ける事業主(全業種
2.生産量・売上高

  生産量、または売上高など事業活動を示す指標の直近1か月間の平均値が前年同期比べ

て5%以上減少していること

3.助成対象者

雇用保険に加入していないパートアルバイトも対象とします。(現状は6月30日まで)

4.助成率(支払った休業手当のうち下記の金額が概ね支給されます)

期間・条件

中小企業

大企業

4/1-6/30(解雇なし)

9/10

3/4

4/1-6/30(解雇等あり)

4/5

2/3

その他の期間

2/3

1/2

※上限8,330円(令和2年3月1日以降)

5.支給限度日数 1年100日、3年150日
6.休業労使協定の締結

 休業を開始する前に下記の内容を定め、休業を開始させます。

1.従業員に説明をして労働者の過半数代表者を決める。

2.休業の趣旨(現在の会社の状況等)

3.休業期間と休業日

4.休業手当の額(支給割合※60%から100%)

休業協定書フォーマットあり

7.休業手当の支払いが平均賃金の60%以上支払われていること

  原則として、直近3か月の総支給額÷3か月の総歴日数×60%以上の支払いが必要です。有給休暇や特別休暇の場合は対象となりません

  賃金台帳、タイムカードにて休業を行ったことがわかるように整備する必要があります。

  ※労働条件通知書や就業規則が労働基準法に沿った内容になっているかの確認も必要です。

8.計画届の事後提出を認める(令和2年6月30日まで

  労使協定の締結→計画届→休業実施の手順が原則ですが、休業実施後の提出が可能です。

9.支給申請

  支給申請は、原則毎月の賃金計算期間(判定基礎期間)ごと、2か月以内に提出することになります。(新型コロナウィルス感染拡大に伴い、審査に遅れが生じる場合があります。)

 

従業員に休業手当をいくら払うのか

月給200,000円(月20日勤務)の従業員が5日休業したら…。

休業控除 200,000円÷20日=10,000円  ∴1日休むと10,000円控除

休業補償の率

計算過程 総支給-(【休業控除-休業手当】*5日)

休業後の総支給額

100%

200,000円-(【10,000円-10,000円】*5日)=

200,000円

80%

200,000円-(【10,000円- 8,000円】*5日)=

190,000円

60%

200,000円-(【10,000円- 6,000円】*5日)=

180,000円

 

いったいいくら助成されるのか

前年度の1人1日あたりの平均賃金額10,000円←前年の労働保険料から算出します

例)1か月に休業4日×20人行ったケース

休業補償

休業控除

補償率

助成率

一人当たりの額

会社の助成額

日額60%

10,000円

×60%

9/10

5,400円

432,000円

日額70%

10,000円

×70%

9/10

6,300円

504,000円

日額80%

10,000円

×80%

9/10

7,200円

576,000円

日額90%

10,000円

×90%

9/10

8,100円

648,000円

日額100%

10,000円

×100%

9/10

8,330円

666,400円

※平均賃金相当額…前年度の雇用保険料の算定基礎額÷年間所定労働日数÷平均雇用保険被保険者数

※上限額は令和2年3月1日時点で8,330円が上限

助成金額は、対象労働者の一人一人の休業手当の額とは連動せず、前年の労働保険料にて会社単位で算出されます。

助成対象となる休業の取らせ方

対象となるのは、以下の2つの休業になります。

1.労働者と使用者の間の協定により、所定労働日の丸一日実施されるもの

2.時間休業の場合は、1時間以上実施されること

※令和2年4月1日から6月30日までの間は全員一斉に休業させなくて可

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