相続対策、相続シュミレーションしてみよう!

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以前、贈与にかかる税金や贈与の種類の一部をご紹介いたしました。今回は相続対策のための贈与を考えるときの手順をお伝えしたいと思います。

 生前贈与をする方は、相続対策のために、「贈与」をしようと考える方も多いと思います。本当に贈与が必要か考えてみましょう。

0.流れ

Step1:自分の資産を把握する

Step2:相続税がいくらかかるか試算する

Step3:贈与税と相続税の比較

Step4:相続対策のための贈与

1.自分の資産を把握する。

 『財産を把握する』というのは『言うは易く行うは難し』です。現金一つとってもいくら現金をもっていると把握されている方は少ないのではないでしょうか。

折角の機会ですので一度ご自身の財産を洗い出してみてください。財産の洗い出しをすることで、『相続税はいくらかかる』な、では『◎年で●●●円を配偶者、子供、孫に贈与しよう』と考える土俵にのぼることが出来ます。

①原則的な財産

  • 現金、預貯金

A現金

生活費以外に多額のへそくりがある場あれば、いくらもっているか数えてみてください。

B預金

複数のお口座をお持ちの場合は以下のように書き出してみてください。

AA銀行 BB支店 普通●●●●● \—–

CC銀行 DD支店 当座●●●●● \—–

 

  • 有価証券(株式、信託証券、自社株など)

C有価証券

上場株式をお持ちの場合、証券会社の口座が複数あっても、一覧がすぐ出ます。各口座ごとに一覧を出してまとめてください。

    また、ご自身で会社を経営している場合など非上場株式をお持ちの場合、どこの株を何株持っているかご本人様以外、把握が大変困難ですので、しっかりと書き出しましょう。

AA証券 BB支店 CC会社 ○○株

DD証券 EE支店 FF会社 ○○株

  • 宝石、貴金属、自動車、家具、美術品
  • 土地(借地権)、家屋、建物

D土地、建物などの不動産資産

    ご自宅、別荘や投資用の物件等。投資用の物件は収入があり、確定申告している場合は調べやすいですが、収入がない別荘や空き地など不動産はご本人様でないと分からないので、書き出しましょう。相続が発生した場合は相続税評価に再評価をします。購入時の資料(売買契約書等)はご本人様がなくなった後に探すのは大変な労となりますので一式保管ください。相続時や売却時に税額上不利になる場合があります。

  • 貸付金、売掛金
  • 特許権、著作権、ゴルフ会員権

②みなし相続財産

  • 生命保険金、退職手当金
  • 相続開始前3年以内の贈与財産

③ 債務の財産

  • 借入金、買掛金
  • 預り敷金、預り保証金
  • 未払金

④非課税財産

墓、仏壇などの仏具

⑤債務・葬式費用

⑥非課税措置

⑦基礎控除

(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)

2.相続税がいくらかかるか試算する

課税遺産総額に対して相続税はかかります。

課税遺産総額 = 課税価格の合計額 - 基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)

*課税相続財産に対して以下の税率で相続税がいくらかかるかを計算します。

詳しくは「相続とは?初心者が知るべき相続の基本」を参考にしてください。

3. 贈与税と相続税の比較

2.の計算で相続税がかかると分かり、『相続税はいくらかかる』な、では『◎年で●●●円贈与した方が良いと考えた場合、どの財産を誰にいくら贈与するのがいいのかを検討しましょう。

相続対策として上記の財産を贈与する場合、贈与税と相続税のどちらで資産の移動が有利か、ということを含めて検討する必要があります。

まずは、贈与税と相続税の税率を見てください。

(国税庁HP抜粋)

贈与税と相続税の税率一覧表を並べると、贈与税の税率が高いので、相続税の方が有利ではないかと考える方も多いのではないでしょうか。

それでは実際の財産状況を例に考えてみましょう。

例①課税遺産総額が現預金5000万を子1人が相続する場合

相続税:5000万×20%-200万=800万となります。

例②課税遺産総額が現預金5000万を子1人が相続するが、生前に5年にわたり非課税範囲110万贈与した場合

(直近3年は相続財産に含まれますが、今回は3年以上前に贈与したものとして考えます。)

課税遺産総額が5000万-110万×5年=4450万となります。

相続税:4450万×15%-50万=617.5万となります。

つまり計画的に生前贈与を進めることによって例①-例②の差額182.5万も贈与税の負担が軽くなります。

4.相続対策のための贈与

贈与の方法として以下をご紹介します。

①個人財産の現預金や資産と持家を贈与する場合

 ・暦年課税:年110万円の課税財産控除

 ・住宅取得資金贈与の特例:2,000万円の課税財産控除

 ・夫婦間贈与の特例:2,000万円の課税財産控除

 ・教育資金贈与の特例:1,500万円の課税財産控除

 ・結婚子育て資金贈与の特例:1,000万円(300万円)の課税財産控除

②事業承継のための贈与をする場合

・暦年課税:年110万円の税金控除

 ・相続時精算課税:2,500万円の税金控除

 ・平成30年度税制改正された「事業承継税制」

  ※「事業承継税制」に関しては別記事でご案内いたします。

事業を営んでいる方は事業承継の範囲、例えばまず自社の持株つぎに貸付金がある場合、貸付金の返済を進めるなど計画を立てて行うことをお勧めします。

5.財産贈与をする上で気を付けたい点

①現金贈与

人生は先が読めないため、現金の贈与から進めると、長期入院や施設に入って長期間生活した場合に生活資金が足りなくなってしまう等のトラブルが発生することもあります。

また現金の贈与を行っても、受贈者側が贈与を受けているという実感がなく贈与者がなかなか感謝されにくいため、贈与者側と受贈者側の間でトラブルが起きることがあります。

また、貸付金とみなされないように、必ず贈与契約書を作成しましょう。

②土地建物の相続時精算課税制度を適用しての贈与

土地建物の贈与の際に相続時精算課税を選択した場合、相続時に小規模宅地の特例が本来適用できる土地が出来なくなるため、結果的に税金の納付額が高くなってしまう場合があります。資産の増加を増やすことを防ぐことや、地価が上昇する前に、また家族で争うことがないように(争族)事前に贈与しておこうと考える方も多いと思いますので、贈与と相続のどちらで資産の移動が有利かどうかを検討したうえで決定しましょう。

6.まとめ

先日、当社で遺言書作成に向けたセミナーを開催したところ、多くの方がご興味をお持ちであることを改めて実感いたしました。お悩みや不安をお持ちの方は、一度お近くで開催されているセミナーに参加したり、税理士事務所にご相談してみてください。

 

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